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ケンのお話-2

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その1
まだ鎖につないだままの頃の話ですが、ケンは穴掘りが好きでした。

巨大な穴を掘るので犬小屋の周りはまるで塹壕です。

私も埋め戻すのに疲れ果て、しばらくほったらかしにしていたのですが、

ある日庭を見ると巨大な穴に半分犬小屋が落ちていました。

鼻の頭を真っ黒にしたケンがちゃんとお座りをして、

こちらを見ながらへらへら笑っていたのが大変、印象的だったです。

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その2
近所で最近物騒な事が起きていたので、

夜の間だけ番犬のため玄関の近くにつないでいた時があります。

その頃サラリーマンだった私は、いつもは自転車で駅から帰ってくるのですが、

その日はなぜか歩きでした。夜も遅くなって、

玄関まで来てケンに挨拶をしようと思って近づいたところ、

とても驚いたしぐさで不安顔。誰だか分からない様子。

小さく小さく、しかも遠慮がちに唸り、後ずさりをし始めました。

犬は暗いと目がよく見えないらしく、

普段は自転車の音で私の帰宅を判断していたのでしょう、

薄暗い中から得体の知れない者が近づいてきたので、

大層おびえたのでした。「ケン」少し強い調子で呼びかけると、

いつものお人よしだと納得したみたいで、

見る見る安どの表情を浮かべたのが分かります。

でもこれでは番犬にならないので、またもや正座をさせ、

よせばいいのに説教の開始です。

でもきっと彼は私にかまってもらってると思っているのでしょうねえ。嬉しそうだもの。

あくる日からケンは番犬からリストラされて夜も庭に放されました。

番犬が居なくなったので、我々は多少不安になり、ケンは安心してぐっすり眠れる様になったのでし

た。

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その3
我が家の横の道路は小学生の通学路です。

ご存知の方も中にはいると思いますが、彼らは寄り道といたずらが大好きです。

庭にはなされたケンやニワトリを見過ごすはずは無いのです。

「猛犬、猛鶏、注意」とひらがなで書いてあるのですが、

当然そんな事はお構いなし、ありとあらゆることをしでかしてくれます。

安全には万全の対策は講じてあるのですが、

やはり心配で通学時間帯にはこっそりと見張っています。

もともと根がオチャラケのケンはいつの間にか小学生と仲良くなり、

フェンス越しに頭をなでられる始末。おまけに尻尾まで振って。

ペットの飼い主は(自分だけになついて欲しいと思っている症候群)なので、

はなはだ私は面白くなく、いきなりケンの斜め後ろの方から出て行ったのです。

私の存在に気がついた一匹の犬は、顔を小学生の方向に向けたまま目だけこちらを向き、

小学生に勢い良く吼え始めたのです。

いたずら好きそうな顔をした彼らは「何だこの犬!」と叫んで、去っていきました。

後に残ったケンはいかにも「不審者を追っ払いましたぜ、ボス・・・」

みたいな顔に見えたのは私が思い込みが強すぎるせいなのでしょうか?

よく動物は嘘をつかないと言いますが、それは嘘です。

少なくともウチのケンは大嘘つきであります。


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その4
まだ夜が明けやらぬ冬の朝、ケンの居場所は大体決まっています。

一番最初に庭に日が差すであろうと予測される場所。

冬の夕方、ケンの居場所は一番最後まで日が差すところです。

最後の最後は、1.6メートル程あるブロック塀の半分の高さより上です。

そこに前足を付け、後ろ足で立ち、体半分太陽の光を浴びます。

だんだん背中から首、首から頭へと光が上がって行き、

いっぱいに伸ばした鼻先まで来るとケンの一日は終わります。

我が家では彼のことを冬のひまわりと呼んで、季節の風物詩とするのでした。

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(この犬は我が家の犬では有りません)
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