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ニワトリのガア

(写真と本文は関係ないことが多いです)


0064.jpg
(人間が嫌いなのでカメラから逃げます)

サマランチと一緒に我が家に来たガアはとても目立たない奴で、

サブボスのサマランチの後を何時もくっついて歩いていました。

サマランチが餌を食べると自分も食べ、サマランチが走ると自分も走り、

俗に云う金魚のフンでありました。 

ヒヨ率いる第一勢力とサマランチ率いる2羽だけの弱小第2勢力に群れは別れていて、

サマランチは自分で自分を守れますが、ガアは第一勢力にいじめられてばかりです。

ただ鳴き声だけは人一倍大きく、しかも長い間鳴き続けます。

夏の朝は日が昇るのが早く、人間が起きる前から「ガア、ガア、ガア、ガア~」

と大きな声で泣き喚くので、私は近所の手前気が気では有りませんが、

良くしたものでそのうち仲間のニワトリから総攻撃を受け、

最後に「ガア~ァ」とさらに大きく鳴いて静かになります。

仲間のニワトリもあまりうるさいので嫌になるのでしょうか。

0060.jpg

この臆病者で体も小さく、人間にあまりなつかないガアが、ある日大怪我をしてしまいました。

何時もより尋常ではない叫び声が聞こえたので、

駆けつけてみると右目に大きな裂け目が出来ていて、

犬のケンがその場を立ち去る後姿が見えました。

恐れていた事故が起きてしまったようです。

けっしてケンが襲ったとは思われません。

ケンとガアはお互い臆病者同士で相手を怒らせるような行動はとりませんし、

ケンはこの14年間何をされようとも牙をむいた所を誰も見たことがない平和主義者なのです。

おそらく何かの拍子の事故なのでしょう。

0061.jpg

とにかく治療しなくてはなりませぬ・・・・が捕まりません。

元々人間があまり好きでなく、しかもパニックに陥ったガアは誰も近寄らせず、

アッチッコッチ逃げ回ります。あまり追いかけて体力を消耗させてもいけませんし、

捕まえて治療しようにも目が裂けていては手の施しようが有りません。

縫うわけにも行かず、消毒も出来ないだろうし、医者に行っても目薬をさす程度でしょう。

眼球摘出になるかもしれません。

考えた末、痛そうですがちゃんと歩いているので、脳に損傷はなさそうです。

怪我は目だけと勝手に判断し、しばらく様子を見ることにしました。

残酷なようですが、ひょっとしたら直るかもしれません。

 0057.jpg

ガアは目に見えて衰えてきました。じっと一人立ち尽くしています。

餌も食べず仲間につつかれてもあまり動きません。

私はようやく捕まえる時期が来たと見て確保しました。

とにかく安全な場所で体力を回復させねばなりません。

ダンボールに入れリビングの隅が病室です。

ここだと何時も誰かの目がありますので、何かの時にもすぐ対処が出来ます。

傷をよく観察してみると深さは2~3ミリ位でしょうか、やはり目薬をさすしか治療法はなさそうです。

きっと大暴れするだろうなと思っていたのですが、

麻痺しているのか気力が無いのか、さほどでは有りませんでした。

その他の場所には傷はありませんので、これで西洋医学による治療は終わり、

次に私の得意とする方法の出番です。

私は女房に「ろうそくを持て!」

と、こんな時でもないと言えないので偉そうに命令し、火をつけます。

「これより我が家に伝わる秘伝のまじないをとり行う」とおごそかに家族に宣言しました。

この時点であきれた娘は「これじゃあ志村ケンだよ!」と言い残し退席したのですが、

かまわず私は怪しげな呪文を発し始めました。

しかし我が家にはちゃんとしたろうそくが無いので、

去年のクリスマスの時のケーキに付いていた赤やら黄色やらのチャラチャラした物になってしまい、

しかも息子がテレビゲームを始めてしまった為に雰囲気は明らかにお誕生会になってしまいました。

おまけに根性の無いローソクは意外と早く燃え尽きそうです。

私は少し焦り、祈りのスピードを上げましたがとても間に合わず、

女房がろうそくをかたずけ始めたのを横目で見ながら今度は本当に焦り、

とうとう途中で終わる事となってしまいました。

これでは効き目は半減してしまいます。

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ダンボールの中に弱々しく横たわったガアに水を差し出すと、

見える方の目でこちらをチラリと見て勢い良く飲み始めました。

次に配合飼料、パン、青物、ドッグフード、亀の餌、金魚の餌、

とにかく何でもいいから栄養をつけさせようと次から次へと好物を与えます。

ありがたいことに食欲はありそうです。

恐るべしニワトリ、こんな大怪我をしても食欲だけは豚にもひけをとりません。

しかし一度に食べれる量はほんの少しなので、

家族の者誰かが傍を通りかかる度に、食べ物をあげる事にしました。

何せおいて置くだけではガアは一人では食べませんので、

口の所まで持って行かなければなりません。

何日間かは誰かが餌をやる声がリビングに響いていました。

ガアの右目は大げさではなく、左目の5倍位腫れあがっていますが

相変わらず食欲だけは有ります。

面白い事に餌を食べる時必ずこちらをチラリと見るんです。

誰が餌をくれるのか確認している様に見えますが、本当のところは分かりません。

ニワトリ同士では餌は奪い合いですから手渡し?でくれるのが不思議なのかもしれません。

あるいは警戒しているだけかも。

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(コイツは名古屋コーチンのピヨ)


一週間が過ぎ10日が過ぎ、餌の手渡しとダンボールの掃除が日常の一部になった頃、

見事ガアが復活しました。

あれだけひどかった右目はすっかり直り、きれいな水晶体になりました。

ダンボールの中で外へ出せと暴れ回り、

ロッドスチュアートかジャニスジョップリンの如くしゃがれ声でわめきます。

リビングにガアが居るのが当たり前になっていたので、

私たちはほっとしながらも一抹の寂しさを覚えながら彼女を仲間の元へ帰しました。

ガアはまるで何事も無かったかのように庭の一部に溶け込み、

サマランチもヒヨも以前と変わらぬ態度でいじめて接しています。

時間と云う概念が無い動物を多少うらやましく思う瞬間です。

実はこの事故があってからガアが変わりました。

あれから何年か経って、これを書いている今現在、彼女は庭のボスで有ります。

自分より大きなニワトリ達を従えて大きな顔をしています。

当時の仲間達が次々死んで行く中で、ガアだけは人一倍長生きで、

我が家のニワトリ生存記録を伸ばし続けております。

しかも以来どのニワトリより人間になつき、人が庭に出ると後を付いてまわります。

やはりこれも、一子相伝、先祖伝来のまじないのおかげでありましょう。

気をよくした私は、この次の為に必ずカメヤマローソクを常備しておこうと

強く心に決めたのでありました。

0062.jpg
(自作ルアー)
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