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ヒヨの闘病生活-2

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カゼ?をひいて鼻水ダラダラのピヨ。娘が使い古しのスカートをはかせて
寒さを防ごうとしていますが、効果があるのやら。


病院に着いた私は先生様の言いつけを守り、一人で面会に向かいました。

少しの間看護士さんと話しをし、病室に連れて来て良いとお許しが出たので、

段ボールの箱ごと運び込み先生の診断を受けます。

その間に女房が受付をしていましたが、

カルテの患者の名前を書く欄を見て手が止まりました。

向かいには看護士さんがじっとカルテを見つめています。

やはり「ヒヨ」と書くのが恥ずかしいのでしょう。

(そりゃそうだ家で呼んでいるのと違い、この病院の雰囲気の中、

ちゃんとしたカルテに人の見ている前で「ヒヨ」と書くのは恥ずかしいわなあ。)

ちょっと可愛そうでしたが正直自分でなくて良かったと思いました。

私がもしカルテに名前を書かなければいけないとしたら、心の中で絶対

(看護士さんは笑っているだろうな。

仕事が終わって友達とか両親とかに話すだろうな。

そしてみんなで大笑いするんだろうな。考えすぎかな?

でもピー助とかガアとかピヨよりはましだよな)と思ったに違い有りません。

IMG_0694.jpg
いろんな血の混じっているリンゴちゃん。
胸の鈴が気に入らないもよう。


診察台の上でヒヨは仰向けにされ、羽を広げられたり、腹を押されたり、

逆さまにされたりと、ありとあらゆる体勢をとらされて、

びっくりしたような顔がさらにびっくりしたような顔になります。

気のせいでしょうか、その度に首を曲げて私の顔を見て

「いいの?いいの?私こんな事をされてるのいいの?あんたボスでしょ?

ナントカしなさいよ!」と言っております。

(すまぬヒヨ、これがお前のためなのだよ、不甲斐ないボスと思わんでくれい)

ヒヨの私に対する信頼が失せたような気になりましたが、

こればっかりはしょうが有りません。

「まず伝染病ではないでしょう。1日入院させて検査をしたいのですが、

え~そのう~実は・・・・費用が・・・ン万円でして・・・どんなもんかと。

何せあのう・・・入院させても直るとは限らないんですが・・・・」


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先生の言わんとする事はよく分かりました。

経済動物である家畜のニワトリにあまりお金をかけてもどうでしょうか?

と言った所でしょう。あまりの値段に私の顔はおそらく

ヒヨよりもびっくりしたようになっていたに違いませんが、

ことさら平静を装い、

「あはは~そ、その位ならお、お願いしようかな~ねえ?」

と女房をチラリと見やりました。女房も

「ウ、ウン、そ、そうだね~そうした方がいいかも・・・・」

そんな訳でヒヨを預けて私たちは帰路につきました。

その時の私の背中には間違いなく人生の悲哀が出ていたはずです。

帰りの車の中で女房が

「診察の間ずっとヒヨはお父さんの顔を見ていたよね。

知らない人にいじくられて助けを求めていたんじゃない」

やはり女房も気づいていたのでした。

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何を考えているか分からないリュウノスケ君。




 翌日女房と学校が休みの娘を従え、ヒヨを迎えに行きました。

片道2時間かかるのでちょっとした旅行です。

昨日はあわてていたのと暗かったで病院の建物をよく見ていなかったのですが、

けっこう大きくとても上品でしゃれています。

待合室もサロンといった感じで私らなぞは場違いな気がしてきました。

しかも待っている人も上品そうで、連れている動物たちも手入れが行き届き、

犬はみんな服を着ておりました。

(ちなみに純血種の犬を飼った事がない我々は

彼らのことを憧れを込めてブランド物と呼んでおります)

少々の居心地の悪さの中でしばらく待ち、やがて診察室に通されました。

「伝染病では無かったです、腸の病気ですね、

内臓が腫れて脊髄を圧迫し、下半身がマヒ状態になったんです。

こうした鳥は内臓の手術が出来ないんです。

残念ながらこのまま様子を見守るしか手はなさそうです」

ヒヨには悪いのですが本当にほっとしました。

戦闘ヘリも姿を消し、M1A1エイブラムズ戦車も去りました。

やはり平和が一番です。

しかしヒヨは医者に見離されたという事です。

こうなれば八百万(やおよろず)の神におすがりするしかないのです。

私はカメヤマローソクを買っておいて良かったと思いながら、

「そうですか、しょうがないですね、どうもありがとうございました」

と先生にお礼を言い、ヒヨを抱いて診察室を出ようと思って振り返ると

娘がいません。

娘はブランド物が寄り集う豪華サロンを、

ウンコまみれで羽のぼろぼろになった家畜のニワトリを抱いて歩くのが

恥ずかしかったのでしょう、さっさと我々を置いて先に出て行ってしまいました。

(フッ、フッ、フッ、まだまだ修行が足らんのう、

これしきの事で恥ずかしがっていては生きては行けんぞ、

母親を見習え、堂々と歩いておるではないか)と思いましたが、

結婚当初は女房も結構恥じらいがあったなと思ったのも事実です。

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確かにヒヨは下半身不随でどんなにフンの始末をしても

どうしても腹の辺りが汚れてしまいますし、多少臭います。

私も少々恥ずかしかったのですが、

ここは家長としての威厳を崩してはいけません。

私はぼろぼろのヒヨを小脇に抱え、分かるか分からないかの笑みを浮かべ、

ことさらゆっくり周りを見渡しながら、

セレブの如く上品に優雅にサロンを去って行きました

(これはあくまでも私の心の中のイメージであり、

他人にどう映っていたかは定かではありません)

家に戻ったヒヨは野菜かごに入れられ、リビングの片隅に置かれます。

以前のガアと同じように手渡しで餌を与えられ、

病状は一進一退を繰り返していました。

具合が良くて天気の良い日などはカゴごと外に出され日光浴をさせるのですが、

そのとき他の仲間達が集まって来て見舞いをするのかと思いきや、

いじめにかかりました。

カゴの外から全員が入れ替わり立ち代り突き出すのです。

ヒヨはカゴの中ですから実際には実害は無いのですが、

けなげにも必死で防戦します。

実は少し前具合が悪くなリ出した頃、

常々様子を伺っていたサマランチに攻撃を受けたのです。

二羽は好い勝負になりましたが遂に初めてヒヨが負けてしまいました。

どうもこの時に彼女達の中ではボスが入れ替わっていたのでしょう。

(余談ですがニワトリのメスだけの世界でもこんな権力闘争があるのでしょうか?

観察していますと、それぞれ順位がついている気がするのですが)

それからしばらくして私の神への絶大なる祈りと

おまじないのおかげでヒヨは少し回復し、

庭を散歩する回数が多くなりました。

本当はまじないの儀式のときは神へのいけにえを捧げるべきなのですが、

いけにえはニワトリと相場が決まっているので、

ニワトリを治すためにニワトリを殺すわけにも行かず、

不本意ですが諦めざるを得ません。

いけにえにするニワトリはたくさんいるのですが・・・

およそ一ヶ月の闘病生活の果て、ある朝ヒヨは冷たく硬くなっておりました。

餌もほとんど食べられなかったのによくがんばったと思います。

まだまだ若い4才の春のことでした。


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